乃蒼side

2人が帰ってきてから1時間ぐらいすると、先輩たちの電車の時間になったので勉強会は終了した。

あの後、蓮は徳島先輩、私は一ノ瀬先輩に勉強を教わった。

そこで私と先輩は、【テストで10位以内だったらお互いのお願いを聞く】という約束をした。

先輩から持ちかけられたので、拒否する気はなかった。


そして運命のテスト返しの日がやってきた。

私は自分のテストの結果より、蓮の結果の方が気になって仕方がなかった。

私は、ほとんど90点台だった。

思っていたよりも全体的に点数が高くてびっくりしている。

先輩が教えてくれていた数学は、なんと98点だった。


放課後に採点ミスがないか確認をしていると、後ろから声をかけられる。

『乃蒼、すごいじゃん。最初っからそんな点数取れるなんて、頭良すぎじゃない?』

雪ちゃんが私のテストを覗き込む。

『いや、雪ちゃんも似たような点数だったじゃん。』

『乃蒼、雪。どうしよう。やらかした…!』

楓が泣きそうな顔をしてこっちに走って来る。

『楓、大丈夫?そんなにやばかったの?』

『う、うん。これ…。』

楓は私たちに回答用紙を見せてくれた。

やらかしたと言っていたので、赤点でも取ったのかと思った…


……が、見事に予想が外れた。