わたしたちはいつも三人いっしょだった。
ずっとずっと、このままいっしょがいいな、なんて思っていた。
でも、高校生になったら、そんなかんたんには叶わない気がして
ほんの少し、さみしくなった。
「 あのさ 」
「 ん 」
空を見上げたまま、かおるちゃんが声を上げた。
「 高校生はさ、……大人だよね 」
「 …まぁ、何となくそんな気はする 」
「 ひびきが大人っぽいもんね 」
「 あたし達、卒業したから……高校生って名乗っていいのかな? 」
「 それは……まぁ、ご自由に?四月までは高校生じゃない気がするけど、気持ちの問題じゃないの 」
二人はたまにむずかしい会話をはじめる。
それは多分、頭のよさのちがいで。
わたしが気にしないことを気にしたりするから、そんなときはとにかくだまって聞く。
わたしがことばをしゃべらなくても、二人の会話は続いていく。