そして…私にとって大きな転機となったのが
五十嵐柊が転校して数カ月がたとうとした中2の秋ーーー


いつものように私は家が近所の志保を含めた友達と
自転車をこいで帰っていた。

「ねえ、私後期のクラス長になったから!」

そう言ったのは志保。
そしてみんなが「また~!?」とか「さすが~!」とかそんな言葉をかける。

事実、志保は昔から成績優秀だった。
勉強的な成績に関しては私も負けず劣らずだったけれど
志保は成績にプラスしてリーダーシップとやらも持っていた。

だからこそこうやって人が集まるし
半年に1回先生が決めるクラス長を2年連続でやっているほど信頼が厚い。
そしてそれを嫌な顔一つせずやってのけるのが志保のいいところだった。

「そういえばもう1人のクラス長は?」

誰かが志保に問いかけた。
クラス長は男女1人ずつ選出されるのがルールのため、
必然的に男子がもう1名選ばれているはずなのだった。

「それが…五十嵐柊だって!」

志保はまた笑顔でそう言った。

「まじで!不良がクラス長!笑」
「なんかイメージと違うけど…「は?」とか言いながらやってそう!笑」
「どうせそういうの任せたらあいつの遅刻癖も治るとか考えてるんでしょ先生たち」

ほんと、中学生の女子ってませてるよな~…って今思えばだけど
確かに、これには当時の私も同感していたように思うのだった。