悪戯っぽい目をしてチケットを手渡してくる渚が、なんだか神様に見えてきた。


「ありがとう渚……。いや、ありがとうございます渚様!」


「大げさだって」

呆れたように笑っている渚の手からチケットを受け取る。嬉しさよあまり、チケットが輝いて見えた。


その輝きをながめながら、もしかしたら最初から私を誘おう思っていて、それでわざわざ二枚も取ってくれていたのかな。なんて想像してみたり。



……そうだったら、いいな。


淡い期待に胸をくすぐられてくすくすと笑みを漏らす私を見て渚は、「そんなにこのライブ行きたかったの?」とおかしそうに笑いながら、私お手製のシチューを美味しそうに頬張っていた。