駐車場に戻り車に近付くと、優雅がドアを開けてくれ、乗り込む。続いて優雅も乗り込み、車は発進した。

「どうでしたか?」

「『どうでしたか?』じゃないわ!知ってたのね?」

「ええ、もちろん。断らなかったのは、星夜様だからですよ?あの有名なスターライングループのご子息でしょう?」

たしかにそうだ。様々な事業を世界中に展開するスターライングループの次男、星夜・レオン・スターライン。

「ええそうよ。でも、わたくしはあの人とは結婚しないわ。こんな事になったからには、色々手伝ってくれるわよね?」

もちろん「手伝って」貰うのは婚約破棄の為の理由付けや手続きだ。

「さぁ、早速やるわよ。こういうのは早いほうがいいわ。あの人の為にも」