「失礼します。
私は、遠国が参りました、アリスと申します。」
その女は、ただの一般人に見えるが、
取り巻くオーラが違った。
「そなたは、あの魔法を操る民族のいる国の者であると聞く。
私は、この世界を手にしたい。
どのようにしたら良いか、魔法使いであるそなたに聞きたいのだ。」
陛下は、まるで世界は自分のものであるかのように言う。
「失礼ですが、魔法で世界を手に入れることはできません。
そして、今の陛下は世界は自分のものだと思っていらっしゃる。
その心では、世界を手にすることはできません。」
魔法使いのアリスは、陛下の瞳をじっと見つめる。