「はぁ…」

あ、またため息ついちゃった…
ため息の数だけ幸せは逃げていくって言うけど。
あたし、何個自分の幸せ失ってるんだろ…

グタッ…
あたしが机にうつ伏せになっていると、甘いソプラノ声があたしの耳に飛び込んできた。

「「りーん、おっはよー♪」」

「おはぁ」

顔をゆっくり上げると、あたしの元にはさっきのガールズの一部。

「もー、倫!あんた朝っぱらからたるみすぎー」

「たるいのー」

「あんたねー、武君と毎日登校してるのにそんなテンションありなわけー?!」

「超ありえないんだけどー!!」

…いや、ありえるもん。

「はは…」
だって、ファンじゃないし…ね?

「武ってフリーだよね?あたし勧めといて!」

え、有香って他校に男いたじゃん?

「わかったぁ」
当たり障りのないような笑顔でその場を交わす。

あたし、こうやって当たり障りのない返事を返すのは、天下一品だと思う。
って、こんなの自慢にもなんないや。