「倫は食わないの?」

「あ、あたし朝は取らないんだー」

「そっか。んじゃ、いただきます」

「どーぞ、召し上がれ♪」

自分とか友達に食べさせる分には失敗してもいい。
だけど、貴也さんだから…失敗したらはずかしい!
そわそわ、あたしが落ち着かないでいると。

「うまいっ」

ニコッと微笑んでくれた。
それだけで、あたしは幸せになれる。
やっぱり、あたしは貴也さんが全てなんだって実感しちゃう。
だけど、幸せな時間もつかの間。

あと、少しでいつもの電車の時間だっ!

「そろそろ行かなきゃっ」

「学校まで送ろうか?」

「え、いいよー」

申し訳ないし。
昨日も夜遅くまで起こしちゃったし…

「いいから。そうすれば少しでも長く一緒に入れるだろ?」

「いいの?」

「遠慮すんな。今着替えてくるから」

「はーい」

その後姿にそっとありがとう、と呟いたのを彼は気づいたのかな?