バスタブにこぼれる涙の粒は薄汚い。
何人ものセフレを作って淋しさを埋めようとしているあたしのカラダはもっと汚い。

あたしがこの前やったパソコンの占いの結果は、

「ごくまれに見る幸せな結婚生活が送れるでしょう」

そう、書いてあったはずなのに。

このままじゃ、あたし。
幸せな結婚生活どころか、結婚すらできないんじゃないかって…思う。

ねぇ、
誰かあたしを救って?



「お願いだからっ…」



その時だった。

「倫。どーした?」

え…?

振り向けば、半透明なドアの向こう側にぼんやりと貴也さんの姿があった。

「どーして…?」
寝てたんじゃないの?

「どーしても何も…」
はぁ、貴也さんはため息をついて続ける。
「お前の泣いてる声が聞こえたんだよ」

「ごめ」
「ごめんな」

ガチャンッ  「きゃ…」

扉が開いた瞬間、あたしは抱きしめられて。

募っていた寂しさはフッと消えた――…