ガチャン……バタン…

着たばかりのバスローブを脱いで浴室に入ると、あたしに急に淋しさが襲い掛かってくる。

1人で入るお風呂は嫌い。
2人で愛し合った後は特に嫌い。

だって…
この浴室に入ってすぐの大きな鏡があたしをナーバスにさせる。

この鏡に映るあたしが。
さっきまで貴也さんに愛されていたこのカラダが。
無性にむなしくて惨めだから…

1人で入るお風呂は嫌い。

「こんなになるなら…ひっく…貴也さん起きてから一緒に…ふっ…はいれば…よかったぁ…」

ポチャン…ポチャン…

湯船にはたくさんの涙が零れ落ちる。
あたし、貴也さんと付き合うようになってからますます涙もろくなった。

「もう…やだよ…」

声を出さないように、
あなたを起こさないようにひっそりバスルームで泣くあたし。
自分が好きでこの関係を了承したくせに…

こんなあたし、大嫌い。