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いつもの情事の後。

「なぁ」

「んー?」

あたしが答えると貴也さんは無言であたしを抱き寄せる。

わかってる

こんな時は彼が自己嫌悪に陥っている時だということを。

そして…
あたしに対して、そして…大切な家族への罪悪感でいっぱいになっているときだってこと。

そんな時、あたしは切なさと同時に、少しは貴也さんの気を引くことができてるってゆう優越感に浸ることができる。

ダメなのに。
ホントはそんなこと思っちゃいけないってゆうのは充分承知の上なのに…
あたしってば最低だ。

「倫、愛してる…」

「…ん」

そう思わずにはいられない。

そうしなければ。
会えなくてつらかった日々を過ごしている自分が、あまりにも惨めだ…