オズワルドさんが脱獄をしてから早二週間。捜査は全く進展しておらず、市民たちからは怒りや不安の声が大きくなっているらしい。ニュースで見た。
僕は基本は家にこもっているから、今日も執筆をして一日を過ごした。そろそろ第四章が完成するところだ。順調に執筆が進んでいる。
「ふぁぁ〜……」
タイプライターを打つ僕の手が止まる。大きなあくびが口から出た。
「何だか今日は眠いな……」
いつもはみんなが寝静まる夜中まで執筆をする。でも今日は何故か十時過ぎに眠くなってしまった。特別疲れるようなことはしていないはずなんだけど。
「……今日はもうここまでにしようかな」
眠い時には集中して執筆なんてできない。僕はタイプライターや資料を片付け、ベッドに横になる。まぶたが閉じたのかわからないうちに、僕はもう夢の世界へ落ちていた。
目を開けると、僕はリビングに置かれた椅子に座っていた。いつもみんなで食事をするテーブルだ。そこに僕一人が座っている。