辺りが暗くなってきたのに気づいてすぐに海里に
「帰るね」って言って返事も聞かないまま走って
浜辺から出ていった。




浜辺から出てゆっくりと歩きながら今日の事を考えた。




なんで海里は浜辺から出たがらないんだろ?
今思えば、いつも私から帰ってるから海里がいつ
帰ってるのかが分からない。
夜にこっそり浜辺を覗いてみよう。





これはちょっとした好奇心だった。
まさか不思議な体験をするなんて想像も出来なかった。





夜になっておばあちゃんにコンビニに行ってくると
言って外に出た。




まさかいるわけないよ?
ちょっとした不安を抱えて急いで浜辺に向かった。




浜辺に着くと近づくことはせずにいつも海里と話している場所をこっそり覗いた。
すると海里が海の方を眺めながら立っていた。




びっくりして声が出そうになったけど口を塞いで
落ち着く。
待って待って。ホントにいる。
こんな夜になっても海里はいるの?




もう1回覗いてみると海里が少し透けていた。
「えっ」と思って目を擦ってもう1度見ると海里は
いなかった。




その後の事は覚えてない。
気づいたら自分の布団の上にいた。