「無理、すんな。そんな顔されたら、俺だってツラい」
「……ごめっ…」
「……、いいから」
ぎゅ
泣きながら、必死に俺へと謝罪する彼女の体を、痛くならないほどの力で…すぐに離せるほどの…そんな力で抱き締めて、俺はそう言うと背中をとんとん、と撫ぜて落ち着かせる。
「やーいこ…?こっち向けって」
「ん…」
「お前は、イイ女だよ。俺がそれは証明するから。伊達に幼馴染してるわけじゃないんだから。……お前の良い所は、全部俺は知ってるから。な…?だから、泣き止めって。あーぁ。こーんな顔してー。ほれ、今ホットタオル持ってきてやるから。待ってな」
すくっ
これ以上、彼女のことを抱き締めていたら、なんだか取り返しのつかないことをしてしまいそうで…幼馴染という、関係を壊してしまいそうで、俺はぽんぽんと彼女の頭を叩いて、立ち上がった。
…はず、だったのに。
「悠太は、さ…?私のことどう思ってる?」
そう聞かれて、体中の血が逆流していきそうで。
ぐっと拳を握って、こう告げる。