「お待ち同様。」 「ありがとな。そういや嬢ちゃんの生まれは江戸か?」 「はい。京にきてひと月経つ頃です。」 「どおりで京のなまりがないわけだ。」 「俺も江戸から来た。もとは伊予の生まれだがな。」 「では、こちらにはお仕事か何かで?」 「ああ。どうしてもやりたいことがあってな。」