手持ちのものは、そこそこの金額の入った財布と手帳が巾着の中に入っているだけだった。 名前は巾着に刺繍されていた「さよ」というのが自分の名前であると思われた。 しかし、生まれや、家、家族構成、年齢すべて分からなかった。 家に帰ることもできないさよを住職は暖かく迎え入れてくれた。