気づかなければ、ただの取り押さえを目撃しただけに過ぎなかっただろうに。




さよは気づいてしまった。




浪士組の集団の中で一人。






他の隊士に指示を出し、見物客の対応、捕縛した男の武器の回収を先頭に立って行っている人物は紛れもなくさよが恋い慕うあの青年の姿だった。