~森松宅~
『でね~。…と…で』
「うんうん。へぇ~」


友達と電話しながら、桜は不気味な笑いを浮かべていた。
「そういえばさぁ…のことでお願いが~」
『あ、うん、いいよ~』
「ありがと~!」
『何教えて欲しいの?』
「えっとねー…」


その電話は、約一時間にも及んだ―…


「おっはよー」
月曜の朝、元気に登校してきた桜。
だが、教室に柳の姿はない、
「…っち」
「おはよー、桜あ」
後ろからいきなり "岩山 唯"が抱きついてきた
「誰おまえ」
「ひどっ!うちだし~」
「うざい、ひっつくな」
正直、桜はこの女があまり好きではなかった
入学当初、自分のことを避けていたくせに、
いきなりベタベタくっついてきた、
「ひどい~」
「っは」

俺が、教室に入ると、すぐに目にはいったのが俺の机に座っている岩山。
そして隣に座っている森松。

…あ?
なにいらいらしてんだ、俺。
別にあいつの事好きじゃねぇだろ。
あ、奴隷感覚?(笑

「そこ、俺の席なんですけど。岩山さんどいてくれません?」
机を"バン"と叩いて、一言言う。
「…森崎…」
「どけっつってんのが聞こえないの?」
「え、でも」
「どけって!」
「唯、どきな」

俺が声を軽く張り上げると、隣に座っていた森松が、肘をついた状態で、岩山を睨み付け、命令した。
…こいつS入ってるから怖ぇな…。
「うっ…桜のっ…さくらのばかあ!!」

泣きかけ、走り去って自分の席へ帰る。
「「負け犬の遠吠え」」

俺と森松の声が重なり合い、目を合わせて二人で笑った。
次の時間が、俺にとっての恐怖の始まりだった、