あれから、れー……レーバー? レバー嬢? は王太子殿下に粉をかけていたり、うらでこそこそやってたらしいことが明るみになって王家の牢に入っている。

 なまじ頭がいいから、高位貴族に取り入ればあるいは、とか思ったんだろうけど欲をかいて王太子に手を出したのが良くなかった。

 そうとも知らない王太子は身の回りにいないタイプだった彼女にあっさり落ちて、まさに恋は盲目のど真ん中に居たらしい。

 あいつの目を覚まさせてやるしかないなとああいう大掛かりな計画に出たそうで令息たちはみんな正気だったらしい。

 一応フレデリカ様にはその旨も伝えてあって了承もいただいていたらしく、あそこで私が出張らなければ彼女と公爵閣下が「バカじゃないの」って感じで証拠品ずらっと並べる算段だったらしい。

ただそこで私が出て行ったせいでフレデリカ様は公女とか王太子妃とか関係なく「フレデリカ様はそんなことしない」と言い切った私に感動したそうだ。つまりあれは嬉し涙。

 王太子がバカなのはまあまあわかっていたらしく、白紙撤回になった婚約自体にはさほど興味がないらしい。

 窮屈な教育や大人に縛られて友達付き合いでもいまいちストレスが発散できなかったそうだからいまは伸び伸びとしている。

 あれからハンカチはグレードアップして戻って来たし、私はフレデリカ様にお友達認定をいただいたのでよく一緒にお茶をする仲になった。次の婚約は慎重にいくわ、だそう。