桃は一個下で、本当の姉妹のように仲が良かった。 葉月に嵌められた時も、私が追い出される時も、桃だけは私を無実だって言ってくれていた。 晶以外は誰も聞く耳を持たなかったが。 「桃、早く戻って。桃まで怪しまれちゃう」 「でも…っ、紗夜姉ちゃんっ」 桃が縋るように腕を掴んでくる。 私はその肩に優しく触れて、やんわりと体を離す。 「いい?桃。これから私がやることは桃を傷つけることにもなるかもしれないの」