「純也、校内放送を使って呼びかけたらどうかな!?」


今正気でいる生徒たちが結託すれば、感染を止めることができるかもしれない。


「そうだな。いい案だと思う」


純也はすぐにうなづいてくれた。


でも、そのためには今度は放送室へ移動する必要があるのだ。


放送室は3階にある。


あたしは廊下へと視線を向けた。


今のところ誰の足音も聞こえてこないけれど、3階には沢山の殺人鬼たちがたまっているかもしれない。


あたしは無意識の内にポケットの中の包丁を確認していた。


いざとなれば、あたしもこれを使わないといけないんだ。


ゴクリと唾を飲み込む。


息を殺しながら廊下へ一歩踏み出すと沢山の死体が視界にはいる。


純也はその一体へ近づいて耳を確認した。