複数の生徒たちが倒れこみ、山のように積み重ねられている。


柔道部の4人は容赦なく殴る蹴るの暴行を加え、時にカッターナイフまで使っているようだ。


「ほ、他の出口を!」


振り向いた瞬間、灰色の目をした女子生徒と視線がぶつかった。


え?


疑問を感じている暇もなかった。


その女子生徒はカッターナイフを持っていて、その刃は血にぬれていたのだ。


床を見ると、点々と血痕が残っているのがわかった。


「遥!」


途端に腕を引かれ、あたしは転びそうになりながら走っていた。


いつの間にか純也が追いついていて、あたしと対峙する女子生徒を見つけたみたいだ。


走りながら心臓が爆発しそうに早くなっているのを感じた。


次々と攻撃的になる生徒たち。


みんな同じように灰色の目をしていた。


あれは一体なんなの!?


足を絡ませながら飛び込んだのは1階の教室だった。


中に入ると生徒は誰もおらず、机や椅子は散乱し、床にはいくつもの血痕が残されていた。


あたしたちに続いて雪と香も逃げ込んできて、すぐのドアを閉めた。


厳重に鍵をかけると、その場に座り込んでしまった。