☆☆☆

「……い! おい、愛、起きろ!!」


大きな声が聞こえてきて、僕の意識は急速に現実へと引き戻された。


「ん……」


小さく声を発し、右腕にビリビリとした痛みを感じて顔をしかめる。


それから目を開けると太陽の光が眩しかった。


「目を開けたぞ!」


それは聞き覚えのある声だった。


「大夢……?」


僕は視線をめぐらせて声の持ち主を探すが、どこにも見えない。


というか、ここはどこだ?


広い和室みたいだけれど見覚えがない。


立ち上がろうとしたとき、体が椅子に固定されていることに気がついた。


足と胴体がロープで椅子にくくりつけられていて、両手は後ろの回されて固定されているのだ。


理解した瞬間完全に目が覚めた。


「な、なんで!?」


叫び、必死でもがく。


しかし、ロープはしっかりと固定されていてビクともしない。


一体どうなってるんだ?


焦りで体中から汗が噴出す。


「ぼ、僕、先生を追いかけてそれから……」