自分の右足に視線を向けると、ガラスの破片を踏んでしまったことがわかった。


心臓がドッドッと早鐘を打つ。


大丈夫だ、落ち着け。


このくらいの音なら気がつかれていないかもしれない。


その時、地面がスッとかげった。


雲が出てきたのかと思ったが、それは人の形をした影だった。


僕の中から血の気が引いていく。


顔をあげた瞬間、逆光になった先生の顔が見えた。


そしてバチンッと音が聞こえてきて、僕の右腕に激しい衝撃が走った。


それは右手にとどまらず、脳天まで突き抜ける。


あっと思ったときには、すでに目の前は真っ白になっていたのだった。