とても、これがはじめてとは思えない手さばきだった。


啓治のゲームに出てきた通り、先生はこれまでにも何度も同じことを繰りかえしてきたんだろう。


先生は車のトランクを開けると、女子生徒の体を荷物のように担いで、その中に放り込んだのだ。


バンッと音がしてトランクが閉められる。


間違いない。


あのゲームが取り出した記憶は本物だったんだ!


今更そう確信した僕は後ずさりをして自転車を隠している電信柱まで移動しようとした。


しかし……パキッ。


右足が何かを踏みつけて、そんな音が立っていた。


瞬間頭の中が真っ白になった。


今のはなんだ?