あれはなんだろう?


疑問を感じて先生の動きをジッと見ていたそのときだった。


先生が四角い箱を女子生徒の体に押し当てたのだ。


その瞬間バチッ! という大きな音が周囲に響き渡り、女子生徒の体はその場に崩れ落ちていた。


い、今のはなんだ?


僕は目の前の光景を理解できなくて、頭の中が真っ白になってしまった。


ただ、さっちの音は指先に静電気を感じたときの音と似ていると、ぼんやりと感じる。


先生は女子生徒の体を途中で抱きとめると、引きずって空き地へと移動していく。


僕は咄嗟に電信柱から出て空き地の中が見える場所まで移動していた。


見るべきじゃないと思っている自分と、確認するべきだと思っている自分がせめぎ会う。


でも、ちゃんと見なきゃ。


確認しなきゃなにもわからないままだ。


勇気を出して空き地で行われていることに視線を向けた。


先生は女子生徒と地面に横たえて、黒いバッグを開けていた。


中から出てきたのはロープだ。


先生はなれた手つきで女子生徒の手足を縛り、口はガムテープで塞いでしまったのだ。