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先生が校舎から出てきたのは昼になってからだった。


昼のチャイムが鳴り響く中、先生は真っ直ぐに自分の車に向かう。


僕はゴクリと唾を飲み込んでその様子を確認していた。


先生が車に乗り込み、車が砂利を踏みながら移動を開始する。


僕は自転車にまたがり、昨日と同じように全力でペダルを踏み込んだのだった。


先生はまず大通りへ出て、昨日と同じように右折をした。


今日も買い物をしてから帰るんだろうか。


ちょうど昼だしその可能性はあると思っていた。


しかし、信号待ちの先生の車に追いついてときすでにスーパーは過ぎていた。


この先にはしばらくコンビニもスーパーもない。


どこへ向かうんだろう?


僕は青信号になり発信する車を追いかける。


体は随分疲れていたはずだけれど、不思議と足は動き続けてくれている。


まるで、動くことが自分の使命だとでも言うように。


それから先生の車が左へ曲がり、細い道へ入って行った。


大通りはまだ歩行さや自転車が多いからバレにくいけれど、細い道に入られたらバレる可能性が格段に高くなる。


僕は悩んだ末、真っ直ぐに続く細い道の前で足を止めて、先生の車に視線を向けた。


「どこに行くんだろう……」


この先にあるのは古い雑居ビル軍だ。