このまま真っ直ぐ帰ることなんてできないと思っていたけれど、前方からお母さんが近づいてくるのが見えた。


きっと大夢のお母さんから連絡が行ったんだろう。


僕は一度立ち止まり、啓治を見た。


「また明日、大夢を探そう」


「そうだな」


本当はまだまだ探し足りなかったが、ここでごねても仕方がない。


家に戻ってからも大夢に連絡を取ってみるということにして、僕たちは分かれたのだった。



しかしその夜、大夢にいくら電話をかけてもつながることはなかったのだった。