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遊ぶことが目的じゃなくても、友達の家にいくなんて久しぶりのことだった。


しかもそれが大夢の家だなんて妙な感じがして、くすぐったい。


3人で並んで歩いている間にも違和感がずっと付きまとっていた。


大夢の家は歩いて15分ほどの場所にあり、2階の部屋の窓から外を見ると小高い丘が近くにあるのがわかった。


幼稚園に通っているとき、この丘の向こうにある公園まで散歩にきたことがあるのを思い出した。


丘は日当たりがよくて奇異もちよさそうなのだが、てっぺんに大きな日本家屋が建っているため近づけないのだ。


その日本家屋を指差して大夢が「あれが先生の家だ」と言ったものだから驚いた。


「あれが?」


と、聞き返す。


「あぁ。少し遠いけど、ここからでもよく見えるだろ? それに道は一本しかないから車の出入りがあればすぐにわかるんだ」


そういうことかと納得する。