最後に出てきた1人はあの日誘拐された少女だ。


みんな今は病院に通い洗脳を解く治療を行っている。


先生の洗脳は優秀とはいえ付け焼刃で、少女たちはすでに自分の名前を取り戻していた。


「ありがとう!」


「助けてくれてありがとう!」


口々に言う少女たちに気恥ずかしくなり、3人で目を見交わせて笑いあった。


これが、僕たち3人の最初の物語。


これから先も長い付き合いになるなんて、このときの僕らはまだ知らない。


ただ、取り戻した日常が嬉しくて、ただ、それだけだった。