「公にはできないけれど、事件は君たちのおかげで解決した。本当にありがとう」


警官隊の人はそう言うと、表彰状を出してくれたのだ。


受けとるとき、先生たちから盛大な拍手が送られてなんだか照れくさくなってしまった。


「警察では君たちみたいな勇敢な人を待っているよ。よかったら、警察学校に入らないか?」


そんな勧誘まで受けて、啓示はまんざらでもない顔をしている。


もともと筋肉バカな啓治のことだから、いいことにそれを使うのもいいかもしれない。


「わざわざ僕らのためにみんな集まってくれたんですか?」


こっそりと小川先生に聞くと、小川先生はうなづく。


「だけど考えたのは彼女よ」


そう言って舞台のほうへ視線を向ける。


つられてそちらを見ると、舞台袖でこちらの様子を伺っている梨乃の姿があった。


「梨乃!」


僕は嬉しくなってつい声をかけた。


すると梨乃はおずおずとカーテンから姿を見せた。


そしてステージの中央に立つと、大きく息を吸い込む。


「3人とも、ありがとう!」


マイクを通さなくてもその声は十分に体育館内に響いた。


梨乃の声を合図にして、5人の少女たちが姿を見せる。