親も僕らもニュースになることを望んでいなかったし、警察も伏せておいたほうがいいと判断をしたのだ。


なにせ、小学生が3人で事件を解決に導いたなんて言ったら、きっと日本中大騒ぎになる。


この事実は僕らの心の中にとどめておくことになりそうだ。


そして、事件解決から一週間が経過していた。


「お前、今度はなにやらかしたんだよ」


啓治に言われて僕は慌てて左右に首を振った。


「僕はなにもしてないよ! なにかするとしたら、啓治だろ」


「俺だってなにもしてねぇ! あ、もしかしてお前か大夢?」


「はぁ? なんで俺になるんだよ!」


3人でギャアギャア騒ぎながら、体育館へ続く渡り廊下を歩いていた。


今日はもう授業も終わり、あとは帰るだけになっていた。


なのに、教室を出る寸前で元副担任、今は担任になっている小川先生に引き止められたのだ。


「君たち3人にはちょっと話があるから、20分後に体育館に来なさい」


その言葉を聞いたとき僕たち3人は目を見交わせた。


一体なんだろう?


先生に呼び出されるなんていいことじゃないに決まっていた。


どうしよう、怒られるのかな。


と、いうことで今に至る。


しかし、3人とも怒られる理由が思い至らなかった。


事件が起こる前から僕はいたって真面目に学校に来ていたし、怒られるとすれば、こっちの2人のほうだ。