「それから私はアキナにもっと似ている子を探すようになった。外見が似ている子。性格が似ている子。その子たちを誘拐し、ここへ連れてきて、洗脳した」


先生は淡々と説明を続ける。


「私にはきっと人を洗脳する能力があったんだ。みんなことどとく私の娘になってくれた」


嬉しそうに言う先生を見るとやっぱり吐き気がした。


こんなのただの自己満足だ。


結局女の子たちを自分の思い通りの存在にしたいだけだ。


「だけどさすがに大きなニュースになってきた。だから最後にもう1人だけ、アキナにもっとも近い少女を誘拐して終わりにしようと思った」


僕は先生がスタンガンを押し当てた、あの子のことを思い出していた。


「それなのに……」


先生は大きなため息を吐き出して僕たち3人を見た。


「邪魔者が入った」


そう言うと同時に立ち上がり、ズボンのポケットに隠し持っていた小型ナイフを取り出したのだ。


「ひっ!」


悲鳴を上げたのは大夢だった。


僕はギラギラと光っている刃先を見て言葉も出なかった。


「そ、それでなにする気だよ!」


強気な声を上げたのは啓治だ。


さすがというべきか、こんなときに先生を挑発するのはやめろというべきか。