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家を出た俺は真っ直ぐ千紗の自宅に向かって歩き出した。


ここから徒歩で10分くらいの場所だ。


千紗の自宅へ向かいながらもコンビニの中を確認したり、公園で立ち止まったりして千紗を探す。


どこにもいなくて肩を落としてしまいそうになったとき、やっと千紗の家に到着した。


呼び鈴を鳴らすと、すぐに父親が出てきてくれた。


その顔は疲れて、目の下にクマがクッキリとできている。


昨日1日でずいぶん老けてしまったようだ。


「久典君、こんなに早くに来てくれたのか」


俺の顔を見てかすかに微笑み父親。


しかしその表情の中には安心した様子が見られなくて、千紗はまだ戻ってきていないのだと安易に想像できた。


「あの、千紗は?」


「まだだ」


左右に首をふる父親にやっぱりかと落胆する。


一体どこに行ってしまったんだろう。


「これから警察に連絡するつもりなんだ」


警察という言葉に一瞬背中が冷たくなった。


千紗が事件に巻き込まれてしまったんじゃないかと、嫌な予感が胸をよぎったのだ。