部室には既に3年の先輩たちが着替えを済ませていて、ベンチで雑談をしている。

『お疲れさまーっす』

俺たちは先輩に挨拶をして部室に入った。

「今日はAとBで試合形式の練習するから、Bは青いビブス付けて集合な」

「はい。分かりましたー」

俺と佳希はBチームに属していて、声を掛けてくれた先輩たちはAチーム。

その中でも椎名優斗先輩はずば抜けてサッカーが上手い。

あの人にボールが渡ると誰も追いつけないし、フェイントも上手いからボールをカットすることも難しい。