私は黙ったままソファに座り、結弦を無視し続ける。 「ほら、お父さんもう帰ってきちゃうわよ?」 「う…わかった」 声でわかる結弦の落ち込み具合は半端なものじゃない。 それを察したのか、結月さんがくすりと笑って私の方に寄ってきた。 「もしかして、結弦と喧嘩でもした?」 「…はい」 「また結弦がわがまま言ったんでしょ?もう、いつになったらわがまま言わなくなるかしら」