「雫のケチんぼ。減るもんじゃないのに」


悪気もなくそう言う結弦の言葉に、頬がピクっと動く。


「……私たち、ただの幼なじみでしょ」


「……雫?」


「…嫌い。結弦のそういうとこ、直した方がいいよ」


ぽかんと口を開けた結弦を無視して脱衣場に入る。


いつになったら、これも無くなるかな。


結弦の無神経な言葉にムカついてその場を離れるのは、もうずっと昔から。


悪気がないのはわかってるけど。