「ありがとうございます」


いつ2人のやり取りを見ても微笑ましいなと思う。


私だって、お母さんと仲が悪いわけじゃないけど、あそこまで仲がいいとは言いきれない。


この家で育ってこその結弦なんだと、いつ来ても考えちゃう。


「雫、僕の部屋行こ」


「うん」


もう何度も来ているから、今更緊張なんてしないけど。


「…ねぇ、ほんとに勉強する気ある?」


「ん〜、あるよ〜」


私にベッタリくっついて、ペンを持とうともしないこの状況をどう言い表したらいいかな。


「そんなんだと、補習で済まされなくなるよ」