はぁ…ほんとにわかってるのかな。


「雫、支度終わった?」


「うん、終わった」


「じゃあ、帰ろ!」


早く帰りたくて仕方がないと言わんばかりの顔で言う。


…帰っても勉強するだけでいいことなんてないのに。


それでも嬉しそうな結弦の隣りに並んで、帰路に着いた。


「ただいま〜!」


「お邪魔します」


結弦の家に上がり込むと、リビングからバタバタと足音が聞こえてきた。


「やっぱりその声は雫ちゃんだったのね!いらっしゃい、雫ちゃん!」


「すみません、夕食前に」