「そっか、それなら良かった。じゃあ、またあとでね」


「うん」


きっと、彼なりに気を使って先に行ってくれたのだろう。


頑張れ、って言われてる気がした。


「あーあ、冬夜に邪魔された」


「ここであんなことしてたらみんなの邪魔になるでしょ。文句言ってないで行くよ」


「はーい」


やっと校舎の中に入り、私たちのクラスへと向かう。


人とすれ違う度に、色んなところから視線を感じるこの生活にももう慣れたけど。


居心地がいいとは決して言えない。


結弦は世間で言うイケメンの類い。