どうしよう…こうなった結弦を離すのは結構大変なんだよね。
私があんなことしたのが悪いんだけど…。
周りの視線も痛くなってきて、どうしようかと悩んでいると。
「結弦、霧山さん困ってるじゃん。離してあげなよ」
結弦よりも低めな声が上から降ってきた。
「えぇ、だって〜!」
「駄々こねるな。大丈夫?霧山さん」
駄々こねる結弦を掴んで、わたしの安否を心配する彼は、同じクラスの影野冬夜くん。
影野くんは結弦の友達であり、よく一緒にいるのを見かける。
私のことも気にかけてくれるし、結弦がああなったときにも助けてくれる、優しい人だなという印象。