高校に近づくにつれて、同じ制服を着た生徒たちが増えていく。



…今でもいいかな。


正門に入るとき、結弦の袖をくいっと引っ張る。


「ん?どーしたの?」


「……今日も、お昼一緒に食べてくれる?」


私のお願いにはめっぽう弱い結弦。


恥ずかしいのをこらえて、上目遣いでお願いしてみる。


すると。


「…っ、なにそれ。もう、そんな可愛いお願いならいくらでも聞いてあげる」


ほんのり頬を赤くして動揺するのを見ると、仕返しは成功したみたいでほっとする。


「いいよ、一緒に食べよう」


「うん、ありがとう」