『結弦は、ぶっちゃけ霧山さんのことどう思ってんの?やっぱり、好きだったりする!?』



『いや、雫とはそんなんじゃないよ』



思ってもいないことが口をついて出たんだ。



今思えば、雫はあの会話を聞いていたのかもしれない。



あの時にきちんと雫と話し合っていれば、こんなことには……いや、違う。



過去がどうとか関係ないってこと…本当はわかってる。



拗れる理由が見当たらないのに、ここまで僕たちがすれ違っている理由。



それは…僕がただの意気地無しだっていうこと。



雫に「好き」と伝えればいい話だと頭では理解してても、簡単にできることじゃない。