失礼だけど榎本さんみたいに何も考えてなさそうな人と居るのもちょっと気が楽になる


「あ、遥香、友達の家でクリスマスパーティしたんだろ?
楽しかったか?」


「……うん、とっても」


「そうか」


このまま気を紛らわせたい


でも私の話も聞いて欲しい


そういう場合は……


「………友達の家でね、そのー……ドラマ!
ドラマ見たの」


「おーいいなドラマ、ホラーか?俺の顔とどっちが怖い?」


「違う、恋愛のドラマだよ」


「おー青春だな」


話す相手間違えたかな???


「そのドラマはね、主人公の女の子が男の子に恋するの」


「うん」


「でもその男の子には幼なじみの女の子が居て
すごく仲が良くて、主人公の子が嫉妬しちゃうの
でさ、主人公の子は男の子に幼なじみの問題があるからって遊びを断られたりしてすごく落ち込んでて」

「それで?」


「それで……わかってるけどやっぱり仲のいい2人を見てると泣きそうになるの
今後どうすればいいんだろって
ここでドラマ終わっちゃったんだけどね」


「なかなか悲しいなー」


「……だよね」





全部私の事だけど


榎本さんにこんな話していいかわかんないけど


気持ちが軽くなるなら……




「その主人公の子、よっぽど自信がないんだな」


「………え」


私は核心をつかれた気がした



「幼なじみってさ、確かに過ごした時間は長いかも知れねーじゃん
でも、その主人公がめっちゃ男の事好きなら絶対負けねーじゃん」



「……そうだよね」



私は光井君に全部助けられた


たったそれだけかもしれない


でも過ごした時間とは関係ない


私は光井君と居る時間の中で感じてる


すごく大きな幸せをいつも貰ってる