この人は
《《ただの》》年下君じゃないんだった。
ハイスペックの持ち主。
女性への気遣いもプロ並?

「あ、もしかして今から夕飯だった?
 邪魔しちゃったね」

空気を読んで謝るところも、さすが。

「邪魔だなんて…
 然さんもこれから?」

「そうだね。
 まぁ俺はコレだけどね」

もう片手に持っていたコンビニの袋を見せてくれたけど
中はどうやらオニギリとパン…のみ?

「え、まさかそれだけしか食べないんです?」

そういえばモデルの仕事は食事制限とかストイックだって
さっきの本には書いてあったっけ。

「俺あんまり、飯作んないからさ」

恥ずかしそうに苦笑いで答える彼に
私はちょっと驚いた。

「作らないん…です?」

ストイックとかじゃなくて?
ハイスペックなのに?

「簡単な料理はするけど
 別に自分のために何か手の込んだモノをって
 あんまり考えてなくてね。
 とりあえず食べれればって感じかな」

「そう…なんだ…」

意外だ。
率直な意見として、予想外すぎる。