どうにもキャラが違うのは気のせい?

押し倒したかと思えば急にキスしたり
言葉遣いだって…
明らかに目の前にいるこの人は
野獣化しているようにしか思えない。

「貴方は…誰?」

「何言ってんの。
 一晩中、一緒にいたのに忘れた?」

そんなわけない。

そしてこんなはずでもなかった。

「男として仕事はしっかりと。
 漢としてプライベートは楽しく。
 これ、俺のモットー…」

そう言って彼は
私の首筋にキスを落とす。

柔らかい感触と体温に
ピクリと反応してしまう体。
全身に痺れるような快感が走り
理性が遠のいていきそう。21

私の反応を楽しんでいるのか
また、唇を奪っていく彼。

ここまで何度もされると
強張っていた体の力が抜けていくのは仕方ない…

「きもちい?」

耳元で囁く声に
体が熱くなるのを感じる。

どうしよ…
キスだけなのに
この人の言う通り気持ちが良い…


このまま最後までシテしてまうのかな、と
考えてしまった時だ。

スッと離れていく唇と体…

「家、送っていくよ」

何事もなかったように、終わった。