「たかが一人のためにこんなにも動くお前らがあまりにも滑稽でな。所詮は他人だっていうのに」

「……他人とか、家族とか、そんなの関係ない」

その声は、リオンたちの発したものではなかった。リオンたちが振り返ると、ノワールが目を覚ましていた。その目には怒りがあり、オズワルドを睨み付けている。

「リオン、みんな、ありがとう。ちゃんと僕も戦うよ」

体を起こし、ノワールはリオンたちに一瞬だけ笑みを見せる。そして剣を取り出すと、オズワルドに真剣な表情を見せた。

「物の怪たちの悲しみや苦しみは、僕たちで断ち切る!!」

最終決戦の始まりだ。