2分後に電話しようと決めてから、3分が経過しているのに気がつき、発信ボタンを押した。


寒さでかじかむ指が、ゆうことをきかなかった。


スピーカーから漏れる呼び出し音が、彼の不在を私に伝える。


何度繰り返し呼んでも止まない音。





ねぇ、





まだ?





寒いよ





待ってるんだけど





早く





遅い





あらゆる感情を乗せて、無機質に鳴り響く呼び出し音。


大きな雪の粒が携帯電話の画面に当たって、水滴になった。



怒っているのかもしれない。



無理やり呼んだから。