17歳の時、恋人が死んだ。


3つ年上で、
外国産の車とそれを運転する資格を持っていた彼が、
なんだかとっても素敵に思えて、

クラスメイトの男の子たちが手に入れられないものたちを、
年齢という条件だけで手中に収める彼に私は、
必要以上に大人であることを求めていた。





自分のワガママを満たしてくれることで相手の愛を測ろうとしていた私は、その日も彼にこう言った。


「今すぐ来て」


「どうしたの?」


「いいから来て」


「無理だよ。明日、一限からテストだし」


「もういい。結花よりテストが大事なんだ」


彼の返事を待たないまま、電話を切った。


結論は、わかっていた。


きっと、来る。










絶対に。