事故で彼を失ってから、


恋をするのが怖くなり、


新しい恋を知ってからは、


また、


恋人を失ってしまうのが怖くなった。










それなのに。










誰かと大きく関わって、離れるのを繰り返す内、


時間という理由を加えた私の記憶は、更に曖昧さを深めていった。



彼と二度と会えない事が難なく思えて、



彼が死んでしまった事すら




自然に思えた。